峯風庵の茶事

庵主が茶人としてお客様をお迎えする茶事です。
森(庵主)ワールドと呼ばれるようになった、テーマ性や創造性のある楽しい茶事をお届けします。
峯風庵ならではの茶事もございますので、遠路よりお越しいただけることもしばしば。遠路の方にはじないまちの中に古民家のゲストハウスなどの安価な宿泊施設もざいますので、ゆっくり旅行がてらお越しいただけたら幸いです。
ベテランの茶人様から、茶事が初めての方まで、どなた様もご参加いただけます。

■ご参加の方法
1.峯風庵が日程を定めて主催する茶事では、お客様を募集させていただきますので、1名様からお申し込みいただけます。開催日はマンスリー・スケジュールでご案内させていただきます。
2.5~6名様のグループでお申し込みいただきましたら、ご希望の日時で茶事をさせていただきます。
■会場   峯風庵
■開催最少人数   峯風庵主催の場合は4名様お申し込みで開催させていただきます。グループでのお申し込みは、定めさせていただきました人数の5名様もしくは6名様で開催させていただきます。
■お申込締切日     開催日の10日前
■参加費    茶事によって異なりますので、下記をご参照ください。
<峯風庵の茶事例>
除夜釜の茶事   除夜の夜から元旦の朝にかけて行う年越しの茶事です。
参加人数6名様    参加費 お一人28000円
初釜の茶事    松の内に行います。お正月の点心茶事をお楽しみください。
参加人数 一席6名様    参加費  お一人様 12000円
茶飯釜・粥の茶事 茶釜で粥を煮て懐石に。4種の粥が味わい深い茶事です。
参加人数  5名様      参加費  17000円
夜咄の茶事    初座、後座ともに蝋燭の灯りで幻想的な茶事をお楽しみいただけます。
参加人数 5名様     参加費 お一人様  20000円
プロフラム    クリスマスの茶事   じないまち狐伝説茶事  他
夕去りの茶事    初座は明るい中で、後座は蝋燭くの明かりでお楽しみください。
参加人数5~6名様     参加費   お一人様 18000円
プログラム  西行法師と桜の茶事  じないまち物語の茶事 他
正午の茶事     もっとも正式な基本の茶事です。
参加人数 5~6名様   参加費 お一人様   17000円
プログラム  童謡の世界の茶事  緑の地球の茶事 他
*写真9点ほど

茶懐石料理教室

茶懐石料理は茶事の中で供される料理で、和食の歴史の中でその発展の元になっています。茶道は禅とのっ出会いで、その精神性に深まりが出ました。茶懐石料理には禅のお坊様の食事の手法が所々に見られます。
走り、旬、名残りの食材を組み合わせて、手間暇かけて作られる茶懐石料理は、高価なものをお出しするといううのではなく、お客様を心尽くしておもてなしするために、食材をあちこち探すことから始まります。まさにご馳走です。
峯風庵では季節の茶懐石料理フルコースと主菓子づくりを実習していただき、その後、茶事の懐石部分にのっとって、亭主役、水屋役、お客に分かれて食事をしていただきます。
ご参加の皆様全員に、懐石料理のフルコースと薄茶・主菓子を召し上がっていただけます。
通常のお茶の稽古では茶懐石料理の作り方、召し上がり方、供する手法などを学ぶことがむつかしいかと思います。
茶事の亭主をご自身ですることはないのではないかとお思いの方も、時にはお客に呼ばれたり、茶事の水屋を手伝ってほしいと請われたりすることがあるかもしれません。その時慌てないように、茶懐石料理の勉強もしていただきたいと願っています。

お茶の稽古をされていない方にも、和文化のご体験に、ぜひ一度ご参加してみてください。楽しさと飛び切り美味しいお料理に出会えます。

●特徴  ・作るだけではなく、茶事の懐石部分をそのままにご体験いただけます
・亭主役は懐石料理を順序に従って給仕したり、その都度のご挨拶なども勉強していただけます。
・水屋役は裏方の働きを勉強できます。タイミングよく料理を温めたり、盛りつけたり。本番の茶事さながらに体験できます。
・客役には懐石料理の召し上がり方を指導させていただきます。
・実際に茶事をされるかたのお役にも立てるよう、ひと月早い献立で開催します。そのため、走りの食材が多くなりますので、贅沢な献立となります。

◆会場   峯風庵
◆開催日時   毎月第三金曜・土曜・日曜
午前10時半~午後2時(お急ぎの方は1時半に退出可能)
◆参加費   お一人一回8500円(材料費含む)
◆お申込締切日   開催日の5日前
◆開催最少人数   各曜日4名様以上のお申し込みで開催させていただきます。

ブログで開催のレポートをしています。
*ブログ カテゴリー別アドレスを入れてください

*食材写真4点  開催風景 2~3点

弥生・雛祭りの献立
*写真キャプションが入ります。
向付  貝3種と芹 黄味酢掛け
汁と一文字飯  汁は蓬白玉 辛子
煮物椀   蛤薯蕷蒸し
焼き物   生鮭白酒焼き
強肴    イサキ煮付け  独活 菜の花
小吸物  アスパラ
八寸  小鮎甘露煮 こごみの衣揚げ
湯と香の物  沢庵 姫大根 キャベツ
主菓子   求肥の蝶々

*フルコース写真  9点

ちょっと大人のお茶稽古

実際の茶事を想定した稽古です。
茶事での臨機黄変の対応や茶事だけで行う点前や所作などを学んでいただけます。
茶事ができる平点前の稽古しかしませんが、懐石料理とお酒がないだけで、まるで茶事を楽しんでいるように開催しています。何十年tお茶の稽古をしていた方も、目からうろこでしたと喜んでいただけました。
お茶の準備は一時間ほど前から実施しますが、準備から来られる方には、炉や風炉の整え方、下火の選び方や火おこしまどもしていただけます。
開催時間は午後1時から5時ごろまでですが、多くの方が初めから最後までいらっしゃいます。十分に楽しんでかえってください。
お茶が初めての方も大歓迎です。

<特徴>
・点前稽古はしなくてもかまいません。お客さん参加で、お茶体験や茶事のお客を楽しむためのすべを学んでいただけます。
・会場は古民家改修の四畳半茶室です。贅沢が時空をお楽しみいただけます。
・少人数でしっかりと、省略なしの稽古をしています。
稽古は、初炭→薄茶→濃茶→後炭→濃茶→薄茶の順に信仰します。人数により多少変化します。
・きちんとした炭で炭手前ができます。きちんと5人分の濃茶を練ることができます。

◆会場  寺内町もりひろ亭四畳半茶室(峯風庵の近くです)
◆開催日時  毎月第一日曜日・月曜日
午後1時~午後5時
◆参加費   お一人 3000円・材料費ふくむ
(薄茶点前稽古される方は会費に含みます。)
炭手前、濃茶点前は各ひと点前プラス1000円頂戴します。
◆お申し込み締め切り日   開催日の5日前
◆開催最強人数  各日3名様以上のお申し込みえ開催させていただきます。

7月8日(土)19日(日)茶懐石料理教室

== 涼やかな朝茶事の献立とお菓子+α ==

朝茶事には焼き物をお出ししませんが、今回はおまけの一品をプラスさせていただ
きます。

◆時間 午前10時半~午後2時
◆場所 富田林じないまち 茶事・茶会・茶懐石料理 峯風庵
◆会費 8.500円 (実習なしで午後から懐石料理をお客様として参加ただくこともできます。この場合は会費7,000円です。)
◆人数 4名様以上のお申込があれば開催。
定員 8名様

じないまちの散策

日本の道百選・城之門筋

重要伝統的建造物群保存地区

所在地 富田林市富田林町
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています。
江戸時代の商家が軒を連ねる富田林市寺内町。
その中心部を南北に結ぶ延長約400メートルの城之門筋は8月10日の「道の日」を記念した「日本の道百選」に選ばれました。


江戸時代中期の大規模商家 重要文化財(旧)杉山家住宅

重要文化財(旧)杉山家住宅
建築年代 1644年(寛永21年)
所在地 大阪府富田林市富田林町14-31
旧杉山家住宅は、江戸時代中期17世紀中頃の建造で、富田林寺内町の中でももっとも古い建築物とされ、現存する町家の中でも最古と考えられています。明治時代の明星派女流歌人・石上露子(本名 杉山タカ)の生家でもあります。


国登録有形文化財 (旧)田中家住宅

所在地 富田林市本町7番2号
建築年代 1892年 (明治25年)
主屋、乾蔵、巽蔵等主要部分は。明治25年に建築されたもので、門戸を構え南北両側に前栽を整えるなど、邸宅風の近代和風住宅としての特色があります。


重要文化財・興正寺別院 (富田林御坊)

所在地 大阪府富田林市富田林町
建築年代 1638年(寛永15年)(再建)
所在地 城之門筋・堺町
宗派 真宗興正寺派
表門は桃山調の高いもので、最近の調査で明らかになったが、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。
城之門筋に表門、鐘楼・鼓楼・本堂・客殿・庫裏などを配する。


大阪府有形文化財 仲村家住宅

所在地 大阪府富田林市富田林町14-31
大阪府有形文化財
建築年代 建築年代 1782-1783年 (天明2-3年)
歴史上有名な「吉田松陰」が嘉永6年(1853)に2度延28日間同家に滞在しました。
旧来の家業は明らかではありませんが、正徳5年(1785年)に酒造株を取得後は、造り酒屋として著しい発展を遂げ、天明5年(1785年)の酒造米高は河内国で最高の2135石に達した。寛政4年(1792年)には江戸市場を対象とした酒造業の理事長に当たる「河内一国江戸積大行司」となった。江戸・徳川家にも献上されました。

2006年4月 月釜

4月の月釜は、花祭りの茶会です。
花祭りは、お釈迦様の誕生を祝い、智恵と慈悲の教えを信じていくことを誓う日であり、
子供たちがすくすくと育つことを祈願する日でもあります。
お釈迦さまは2600年ほど前の4月8日、北インドのルンビニーの花園でお生まれになり、七歩あゆみをすすめ、
右手で天を指差し、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と宣言されたそうです。
誰もが、この宇宙でたった一人の尊い命をいただいて生まれてきた。
一人一人の命の大切さを伝えてゆきたい。

その時、天に住む竜が感激して甘露の雨を降らせ、花々は咲き匂い、誕生をお祝いしたと伝えられています。
春の花で飾られた花御堂に水盤をおき、その中央に誕生仏を安置して、甘茶をかける浴仏会(潅仏会)として親しまれ、
日本には7世紀ごろ中国から、伝わってきたようです。
待合では汲み出しに甘茶をお出し、故事にちなんで、雲竜釜を釣りにしてかけました。

掛け物はお釈迦様にちなんで「拈華示衆
衆皆黙然 」の語をかけました。
釈迦が霊鷲山で説法しているとき、華を大衆に示したが、皆無言。一人、迦葉尊者のみが微笑したと
いう、以心伝心のエピソード。華は一人一人の命、生き方、そんな風に私は解釈していますが、さて。

茶花は、本来はこれから開く蕾や、
ひたむきに咲く可憐な花、楚々とした、
また凛とした花を入れますが
今回は趣向でルンビニーの花園に思いを
馳せてみました。

香合は象の絵柄がはいった、大理石の小物入れ
インド製です。インドというと象しか思い浮かばないのは、ちょっと情けなかったけど。
上手い具合に、町でみつけました。

お釈迦様の誕生日なので、少し、改まった長板の
点前。水指は蓮の池紋様です。

主菓子は手づくりの桜桜。インドのアルミのトレーを器に。インドにも桜は咲くのでしょうか?
峯風庵の前の公園の桜は見ごろでした。

干菓子は、四天王寺の河藤さんの蓮華の花弁を蓮の花にして。水は手づくりの白餡入りの落雁です。

私もこの日は少し華やかな桜紋様の着物でした。
お客様もブルーの桜紋様のお着物。
春をまとって、気分ルンルンの一日でした。

いつもいらしてくださる着物仲間の皆さん。
お茶席が華やいで、うれしいです。

真ん中のお茶碗が今回の主茶碗。赤膚焼き、小川二楽さんの奈良絵です。
奈良絵はお経を題材にした絵付けなので、お釈迦さまの誕生日には、もってこいかと。
左右の二椀はインドのボールを見のて使いしました。花唐草も紋様も花祭りにピッタリでした。

2006年3月 正午の茶事~彼岸の頃

待合から腰掛待合にすすむ。春の芽吹きを思わせる若草色の火入は、カップの見立て使いです。

   

初入りの床には円相を掛けました。宇宙全体を現しているといわれる円相に、今この時、ここに生きている自分を感じていただければ。また、円相は彼岸への入り口とも思えます。

初炭点前。右ききの方は右手で蔓の上を持っていただく方が、上手く釜のかけ掛替えができます。
香合は萩焼。雲の紋様に空の文字が入っています。般若心経の一節が浮かんできます。

彼岸のことですので、向付は精進の五色胡麻酢和え、汁は手づくりの蓬豆腐です。心を込めて、手間ひま掛けて懐石の準備をするところに意味があると思います。

懐石の華、煮物椀は、蛤の薯預蒸しに天然の車海老。あまりの元気よさに、お彼岸なのに殺生はつらいねといいながらの調理。生き物の命をいただいて、私たちは生きていることの再確認。感謝。合掌。

千鳥の杯はタイミングが大事。何度やっても覚えなれないと、皆さんの嘆きの声が・・・。
八寸は、酒の肴にふさわしいもの、少しめずらしいもの、走りのものを考え考え、準備します。色どり、食感、味のバランスなども考慮して選びます。

主菓子は味噌餡の春野餅。つくしと山椒を載せて少し焼いて香ばしさを出しました。

後入りの華。彼岸桜とピンクの椿。おおらかなご亭主Kさんのお人柄が偲ばれる花を入れてくださいました。手桶の花入れ、赤い雲の敷板もお彼岸らしく。

濃茶。シンプルな黒楽、蝋燭手の茶入れ、大きく反った茶杓の銘は「彼岸」あの世とこの世を、二節の茶杓が物語してくれました。

 

干菓子は水の落雁と蝶々の雲平。蝶々は、亡き人を偲ぶ意味で、向う向きに盛りました。

木地の四方棚に、青唐津の水指、小川二楽さんの赤膚奈良絵の茶碗、蓋置は白菊です。

暑さ寒さも彼岸までと申しますが、季節が移ってゆくさまが日一日と感じられるころの茶事。
春分の日を中心にして前後三日の七日間がお彼岸です。今年は17日が彼岸の入り、23日が彼岸明けです。彼岸とは梵語のハラミタの訳で、
功徳を成就して涅槃(死 解脱)の向こう側の世界に至るの意味。寺院では施餓鬼などをし、家ではおはぎなどを供えて先祖供養をします。
先祖供養だけでなく、生きている我々も、日々功徳を積んで、いい人生を送りたいものですねというメッセージを込めた茶事でした。

2006年3月 月釜

第37回目の月釜は、雛祭りの茶会です。昨年も雛祭りをしましたが、この時節になると、やっぱりお雛様を出してあげなくてはと思いました。
私が生まれた時に両親が買ってくれたお雛様、もうすっかりアンティークになりましたが、なかなか美しいお顔立ちのお雛様です。
炉の番をしてくれた人形を蹴っ飛ばしそうとか、火の中に落ちないかなと心配してくださった皆様、ありがとうございました。
今年も全員、無事勤めを果たしてくれました。(笑)

三人官女が受付でお出迎え。

汲出しかわりに、手づくりの白酒を。

お内裏様とお姫様は床にいらっしゃいます。

春らしく、椿はいつもより少し開きぎみの物を
いれてみました。

五人囃子は風炉先に。

三人の仕丁は、炉のまわりを守ってくれました。

手づくりの桃風味の主菓子。桃の花で菱形を作って、
その中に盛ると、雛祭りらしくなりました。

雛あられの取り方を伝授。
小さなお菓子は取りにくいし、こぼれやすいので、懐紙を袋にして、すくいます。そのまま袋を持って戴くと、ポロポロこぼれることもありません。

蛤棚は表流のもの。花紋様の水指、バリ島で見つけた若草の花紋様の小箱を薄器に見立てて使いました。

お雛さんと一緒の茶会は楽しいなあ~~。今日は私も雛祭りにちなんで貝合わせの文様の着物を着ました。でも、あんまり解からないですね。残念。

*****

2006年2月 夜咄の茶事

迎え付けが終って、手燭を床に置きます。
軸は「龍起一潭氷」深い淵に潜んでいた龍が
春を待ち氷を割って現われる一瞬
をとらえた壮絶な景色。
利休の侘びはこのように力強いものだと思います。

短ケイのわずかな灯りで、前茶を。
寒い季節、 まずは暖かいお茶で
暖をとってもらいたいとの亭主の気持ちです。

蝋燭のほのかな灯りの中で見る
赤くいこった炭の美しさは格別です。

煮物椀は利休卵。
利休が好んで懐石に使っていた
という胡麻の入った卵豆腐。
古酒を使っています。

強肴は鍋仕立てにした
大根と豚のべっこう煮。
夜咄なので、懐石も少しラフに。
正午の茶事より格を落とすところに面白みがあります。

膳燭の芯を切るのが
懐石の醍醐味だったりする。

夜のことですから、お酒も進みます。
お酒が好きな方には、石杯と預け徳利をお出しします。

主菓子は「雪間の草」という銘をつけました。

茶事のクライマックス
濃茶が練りあがりました。

干菓子は、すり蜜のボタン雪と金柑の砂糖漬けを
ざっくりと盛り合わせました。

ちょっと大きめの水指の蓋のつまみは可愛い梟。
能登の江崎満さんの作です。

 

時代の海上り安南の小壷を茶入に。
茶杓はかい先にひびが入ったものを金継した、銘「再来」。
棗は夜咄のために私がデザインして
池之浦大起先生に作っていただいた、雪華蒔絵平棗です。

立春をすぎ、暦の上ではもう春ですが、一年で一番寒い厳寒ころ、ほっこり暖かいお茶が、心を満たしてくれます。
寒い時期のお茶はまた格別の楽しみ、喜びがあります。
こもり居しながらじっと春の訪れを待つ、利休の侘びの心そのままのお茶を楽しみましょう。