お茶の点前は、細々としていて面倒臭いなあと感じている方もいらっしゃるかと思いますが、それにはちゃんと意味があります。
点前の中では清めるという所作がたくさん出てきます。お茶室で使う道具は水屋(バックヤード)でちゃんと清めてあるのです。また、席中で茶碗、茶入や棗、茶杓などを清めてゆきます。また、お茶をふるまってからも、道具を元通り清めてゆきます。
道具を清めながら、点前をする人は自身の心も清めています。また、それをご覧になっているお客様の心も自然に清められてゆきます。
いろんな物事で、心が汚れたり、いっぱいになったりすることもあろうかと思ういますが、茶道の清めるという点前で、人はまっさらの清らかな自分を取り戻すことができます。
茶室の中に座っていると、なんだか気持ちがよくなるのは、清められているからなのですね。
新型コロナウィルスの感染が、日本では他国に比べて感染が大きくならず、死者の数が少なかったことは、日本人の清潔な生活スタイルと、人への思いやりのある国民性ともいわれています。和のこころ、現代にもちゃんと伝わっていることが、うれしいです。